2025/1/31 COLUMN
リバースモーゲージとは?
その仕組みをわかりやすく解説
老後資金に関する問題について、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
「リバースモーゲージ」をご存じでしょうか?
自宅に住み続けながら、その自宅を担保に老後資金を借りることができるという仕組みです。
今回はその仕組みやメリット・デメリットについて、わかりやすく解説していきます。
リバースモーゲージとは、高齢者が自宅を担保にして資金を借り入れ、契約者が亡くなった後に自宅を売却して返済することができる仕組みです。
似たようなものにリースバックがありますが、これは現在住んでいる住宅を売却した後も、賃貸契約を結ぶことで家賃を支払ってそのまま住み続けられる仕組みです。
一方、リバースモーゲージは、不動産の所有権を持ったまま担保にして借入れできます。
さらに、リースバックは代金が一括で支払われますが、リバースモーゲージは、上限金額に応じて定期的な借入れが可能です。
老後の生活資金や介護費用を補うための手段として注目されており、特に自宅を保有しているが現金資産が不足している場合に活用されています。
リバースモーゲージは、各都道府県の社会福祉協議会や住宅金融支援機構・金融機関が取扱いをしており、どこのリバースモーゲージを利用するかによって、借入金の使途や貸付限度額、対象となる物件が異なります。
リバースモーゲージの資金用途は幅広く、特に高齢者の生活や将来設計に役立つように設計されています。
以下は、主な資金用途の例です。
老後の生活資金や食費や光熱費、通信費など、日常生活に必要な費用の補填
医療費の負担・介護施設の利用費用の支払い・老人ホームの入居一時金
住宅の維持管理・リフォーム・バリアフリー改修
既存ローンの清算・クレジットカードの返済
旅行・趣味活動
子どもや孫の教育資金・結婚資金・住宅資金
地方自治体の社会福祉協議会が提供しているリバースモーゲージは、公的な福祉目的の制度であるため、生活の維持や福祉向上に直接関係のない目的(例:娯楽や投資など)には使用できません。
一方、住宅金融支援機構が提供するリバースモーゲージでは、本人が所有する自宅のリフォーム費用(バリアフリー化や耐震補強など)にのみ使用でき、生活資金としての利用はできません。
金融機関が独自で提供しているリバースモーゲージは、制限が少なく、生活費、医療費、介護費用、旅行や趣味の費用など幅広く利用可能な傾向にあります。
近年では、金融機関が独自で提供している「リバースモーゲージ型住宅ローン」の取扱いが増えてきています。
通常の住宅ローンは、一括で受け取った融資額を月々返済していき、最終的に借入残高がなくなるのが一般的ですが、リバースモーゲージは毎月、あるいは一括で借入れた分の残高を最後にまとめて返済する仕組みです。
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・対象者
原則65歳以上。低所得者が対象。
自宅を所有しており、担保価値がある場合に利用可能。
・融資の用途
生活費、医療費、介護費用など、日常生活を支えるための目的に限定される場合が多い。
・返済方法
借入人が死亡した後に、相続人が自宅を売却し借入元金および利息の返済をすることが必要。
生存中は元本返済不要で、利息のみ支払う場合もある。
・融資額
貸付金額に上限があり、1か月あたり30万円以内。または生活不要基準額の1.5倍。
金融機関と比べ利子負担が軽い。
・その他
地域の縛りがない。保証人が必要。
公的機関が運営するため、比較的安心して利用できる。
利子が民間のリバースモーゲージよりも低い場合が多い。
住み慣れた自宅での生活を維持しながら、資金を確保できる。
自宅の担保価値や地域によって利用できない場合がある。
資金用途に制限があるため、自由度がやや低い。
地域ごとに制度の詳細が異なるため、最寄りの社会福祉協議会に確認が必要。
社会福祉協議会のリバースモーゲージは、福祉目的に特化した制度で、高齢者が地域での生活を続けられるようサポートする役割を果たしています。
「リ・バース60」は、住宅金融支援機構が提供するリバースモーゲージ型住宅ローンです。60歳以上の高齢者を対象に、自宅を担保として住宅取得やリフォーム資金を借り入れ、生存中は利息のみを支払い、元本は契約者の死亡後に自宅の売却などで一括返済する仕組みになっています。
・対象者
原則60歳以上の高齢者。
安定した収入がある。
担保価値がある住宅を所有している。
・融資の用途
自宅の建設・購入・リフォーム費用(土地購入には利用不可)。
既存住宅ローンの借り換え。
・返済方法
毎月利息を支払い、元本は契約者が亡くなった後、自宅の売却などで一括返済。
生存中の元本返済は不要。
・融資額
自宅の担保評価額の50~60%(上限あり)。
住み慣れた自宅を維持しながら必要なリフォームができる。
老後の住環境を安全で快適なものに整えられる。
相続人が自宅を引き継ぎたい場合は、ローンを一括返済すればOK
元本返済は死亡後のため、長期間借りると利息の総額が増える。
相続人が家を継承する場合、ローンの一括返済が必要。
担保価値が下がると、返済に不足が出る可能性。
資金用途がリフォームに限定されるため、生活費や医療費には利用できない。
※詳細については、住宅金融支援機構の公式ウェブサイトや最寄りの窓口で確認することをお勧めします。
・対象者
主に高齢者(60歳以上)を対象。
自宅を担保に提供できることが条件。
自宅の担保評価額が一定基準を満たす必要があります。
・融資の用途
自宅のリフォーム(バリアフリー化、耐震補強など)。
老後の生活費や医療費、介護費用。
その他の生活資金(金融機関によって制限がある場合あり)。
・融資の受け取り方
一括受け取り型:必要な資金をまとめて借りる。
分割受け取り型:毎月定額を受け取る(年金のように利用)。
必要時受け取り型:必要なタイミングで借りる。
・返済方法
借入期間中は利息のみ支払い。
元本は契約者が亡くなった後、自宅を売却して一括返済。
自宅の売却後、融資額を超えた部分があれば相続人に返還。
自宅を売却せずに住み続けながら資金を調達できる。
老後の生活資金やリフォーム資金を確保できる。
返済は契約者が亡くなった後、自宅売却で完了するため、生前の元本返済負担がない。
不動産価値が下がると、融資額が不足するリスク。
元本返済がないため、毎月の利息支払いが必要。
相続人が住み続ける場合、自宅を再購入する必要がある。
自宅が金融機関の条件を満たさない場合、利用できない。(マンションには適用されにくい)
リバースモーゲージ型住宅ローンは、特に高齢者の生活資金や住環境改善を支えるための選択肢として利用されます。各金融機関で条件やサービス内容が異なるため、事前に複数の金融機関を比較し、自分のライフプランに合った選択をすることが重要です。
リバースモーゲージを利用すれば、老後の生活資金を確保しながら自宅に住み続けることができます。しかし、その一方で「相続人に負担をかけたくない」と考える人も多くいます。特に、担保となる自宅の価値が下落し、売却してもローンを完済できない場合、その不足分を相続人が負担しなければならないリスクがあります。
リバースモーゲージ型住宅ローンには、「リコース型」と「ノンリコース型」の2種類があり、契約内容によって相続人の負担が変わります。
「リコース型」は、万が一残債が発生した場合、相続人がその返済義務を負うタイプです。一方、「ノンリコース型」は、自宅を売却してもローンを完済できなかった場合でも、不足分の返済を相続人が負う必要はありません。
その分、ノンリコース型はリスクが少ない代わりに、金利が高めに設定される傾向があります。生存中の利息負担は増えますが、相続時の家族の負担を軽減できるというメリットがあります。
リバースモーゲージは、老後の生活を豊かにする有力な選択肢ですが、契約内容や相続への影響を十分に理解した上で利用することが重要です。自分のライフプランに合った仕組みを選び、家族ともよく話し合いながら、安心して暮らせる老後の資金計画を立てましょう。