2025/3/17 COLUMN
住宅の資産性
~サスティナブル住宅とは~
資産価値がある住宅とは、時間が経過しても価値が大きく下がりにくく、
売却や賃貸において高い評価を受けやすい住宅のことです。
一般的に、日本の住宅市場では築年数とともに価値が下がる傾向がありますが、
適切な条件を満たした住宅は、長期間にわたり安定した資産価値を維持し、
場合によっては価値が向上することもあります。
ではどう言った住宅が資産価値があるのか?
住宅の資産性とサスティナブル住宅の関係性について解説します。
資産価値を決定する要素として、以下のようなものが挙げられます。
特に、近年では環境負荷の少ないサスティナブル住宅(持続可能な住宅)の人気が高まっており、省エネルギー性能や耐震性の高さが資産価値を左右する重要なポイントになっています。
・駅や商業施設、学校、病院などの利便性
・将来的な再開発やインフラ整備の可能性
・治安の良さや地域のブランド力
・耐震性・耐久性(長期優良住宅やZEH住宅など)
・高性能な建材や設備の使用(断熱材、耐火性能など)
・維持管理のしやすさ(メンテナンスのコストや頻度)
・時代に左右されない普遍的なデザイン
・可変性(リノベーションのしやすさ)
・スマートホーム機能(IoT、AI活用)
その住宅が長期的に価値を保ち、または向上する可能性を指します。資産価値の高い住宅は、売却時に高値で取引されやすく、賃貸の場合も高い収益を生み出しやすい特徴があります。
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世界全体がCO2削減に向かう中、日本も2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボ
ンニュートラルの実現を目指すことが宣言されました。
日本における最終エネルギー
消費の約3割を占める民生部門(業務・家庭部門)においても、更なる省
エネルギー化や脱炭素化に向けた取り組みの一層の充実・強化が不可欠となっています。
それにより、住宅のネットゼロエネルギー(ZEH)化の促進や、建材・機器の更なる性能の向上などが求めら
れています。
年間の消費エネルギーを実質ゼロ以下にすることを目指した住宅のことです。
具体的には、高い断熱性能、エネルギーの効率的な利用、再生可能エネルギーの活用によって、住宅のエネルギー消費量を削減し、創エネルギー(主に太陽光発電)によって補う仕組みになっています。
ZEH住宅を実現するためには、以下の3つの要素が必要になります。
1.省エネ(エネルギー消費の削減)
高断熱・高気密の建材を使用(外壁や窓の性能向上)
高効率な設備機器(エコキュート、LED照明、断熱ドアなど)
エネルギーマネジメントシステム(HEMS)の導入による無駄な消費の削減
2.創エネ(エネルギーの創出)
太陽光発電システムの設置
蓄電池の活用による電力の有効利用
風力発電や地熱利用(導入例は少ないが可能)
3.断熱性能の向上
住宅の断熱性を高めることで冷暖房エネルギーを削減
省エネルギー基準(ZEH基準)を満たす建材の使用
夏の熱を遮断し、冬の暖気を逃がさない構造設計
日本政府は「2030年までに新築住宅の平均でZEHを標準化」する目標を掲げており、今後ますます普及が進むと考えられます。また、ZEH仕様の住宅は、今後の住宅市場での評価が高くなり、資産価値の維持にもつながるため、これから住宅を建てる・購入する際には、ZEH基準を意識することが重要です。
サスティナブル住宅は、環境性能だけでなく、資産価値の向上にも寄与します。
① 長寿命化による資産価値維持
長期優良住宅の認定を受けた住宅は、築年数が経過しても価値が下がりにくく、流通市場で評価されやすい。
② 省エネ性能の高さ
エネルギーコストが抑えられるため、住宅の運用コストが低く、購入希望者にとって魅力的なポイントになる。
③ 法規制と市場の変化
今後のカーボンニュートラル政策や環境基準の強化により、環境に配慮した住宅が市場で高評価される可能性が高い。
④ 企業や自治体の補助
ZEH住宅や長期優良住宅に対する補助金や税制優遇が受けられるため、初期投資を抑えつつ、高資産価値を維持しやすい。
サスティナブル住宅は、環境に優しく、ランニングコストが低いだけでなく、資産価値の維持にも貢献するため、今後の住宅市場ではますます重要になっていくでしょう。