haconiwa-house

072-493-3978
モデル見学 イベント情報 資料請求

2025/4/14 COLUMN

 

パッシブデザイン5つの要素

~保温(断熱・気密)~

 

「断熱はしっかりしてるから大丈夫!」

そう思っていても、実は“気密”が甘ければ、せっかくの断熱性能も十分に発揮されないかもしれません。

今回は“断熱と気密”の関係と、パッシブデザインが目指す目標数値についてお伝えします。

 

 

 

 

パッシブデザインの定義とは

夏は涼しく、冬はあたたかく。
そんな快適な暮らしを、機械や設備に頼らず、自然の力で実現する——
これが「パッシブデザイン」という考え方です。

パッシブデザインの定義として、前回も述べたように  <パッシブデザインとは?省エネで快適な住まいづくりの第一歩>

建物の配置・形状・プランニングなどを工夫し自然エネルギーを最大限活用・調節し省エネルギーで快適な暮らしを実現させていく設計手法です。

 

パッシブデザインには5つの要素があります。

 

今回はその中の 『保温(断熱・気密)』についてです。

 

 

要素① 保温(断熱・気密)

 

断熱の主目的は「冬の熱損失を防ぐ」と言うことです。

そこに自然エネルギーの要素は特になく、パッシブデザインの定義として少し違和感があるかもしれませんが、断熱性能は暖房設備によって与えられた熱を逃がさないようにすること、「冬暖かく」を実現する上で極めて重要です。

また断熱性能を上げることは、夏における日射遮蔽(できるだけ室内に太陽熱を入れないこと)にも有効です。

しかし、「断熱性能の向上 = 夏涼しく」という単純な図式にならないので注意が必要です。

 

●断熱|家の“保温力”を高める

いくら太陽の熱を取り込んでも、すぐに逃げてしまっては意味がありません。

断熱は、外気温の影響を受けにくくし、室内の快適温度をキープするための「家の保温力」です。

パッシブデザインを活かすには、家の“保温力”を高めることが欠かせません。

断熱材をしっかり入れれば冬もあったかい……はずですが、壁にすき間があれば、そこからスースーと冷たい空気が入ってきます。

これでは、どんなに高性能な断熱材も力を発揮できません。

だからこそ“気密性”もとても大事!

壁・床・天井にしっかり断熱材を入れ、冬は熱を逃さず、夏は外の熱を入れないことで、室内環境を安定させます。

●気密|隙間をなくして快適性を守る

気密とは、家の“すき間”の少なさを表すもの。
冬の冷たい空気や、夏の熱気がすき間から入ってくると、どんなに断熱しても快適さは保てません。

気密性は、現場でどれだけ丁寧につくられたかが反映されます。

つまり、気密測定は「この家はちゃんと作られていますよ」という品質チェックでもあるんです。

性能を数字で保証するためにも、気密はしっかり確認したいポイントです。

「気密が取れていなければ、断熱も通風も成り立たない」とまで言えるほど、断熱と気密の関係は重要です。

 

 

 

<haconiwa-house 各種イベントに関してはこちら>

 

 

 

 

●パッシブデザインでの断熱・気密の目標数値

パッシブデザインにおける断熱・気密の数値目安について、以下のように整理できます。(※地域や設計方針によって多少変わります)

・断熱性能(UA値)の目安

※HEAT20のG1・G2・G3は断熱性能の段階を示す指標で、G3が最も高性能です。

・気密性能の(C値)の目安

家を暖かく涼しく快適に過ごすためには、断熱性能が重要です。

しかし、断熱性能ばかり追い求めても、工法や施工精度により発揮される「気密性能」が低いと、本当の高性能住宅にはなりません。

高気密住宅の性能値「C値」は、0.5 c㎡/㎡ 以下を推奨  ※気密(C値)測定は実測値

 

 


 

UA値は計算で求められますが、それには施工精度による影響は反映されていません。

いくら良い断熱材や窓を使ってUA値を高めたとしても、C値が低いと家中に隙間があることになり、期待する断熱性能が発揮されないのです。

 

 

 

<モデルハウス見学はこちら>

 

 

 

 

まとめ

「Ua値」や「C値」といった数値は、断熱や気密の性能を測るものさしです。

でも、本当に大切なのは、「暮らしてみて心地いいかどうか」。

自分たちの暮らしに合った“ちょうどいい快適さ”を見つけることが、長く心地よく暮らすコツです。

「高性能住宅にすること」が目的ではなく、「心地よく、健康で、自然と調和した暮らし」を実現する手段として、断熱と気密はあるのです。

断熱性能を高めることは大切ですが、それだけでは夏の快適さはつくれません。

大事なのは、「熱を入れない・ためこまない・逃がす」設計。

断熱だけでなく、日射遮蔽・通風・排熱まで考えることで、本当に心地よい住まいができあがります。

断熱・遮蔽・通風・排熱の“セット設計”こそが、パッシブデザインの本質です。

© haconiwa-house|有限会社瀬尾工務店 2025