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2025/4/28 COLUMN

 

パッシブデザイン5つの要素

~日射遮蔽~

 

夏の強い日差しが室内に入り込むと、部屋の温度が急上昇し、冷房に頼らざるを得なくなります。
パッシブデザインにおける「日射遮蔽」は、太陽の熱を室内に入れない工夫のこと。

冷房エネルギーを減らしながら、快適な室温を保つためのカギとなります。

今回は“日射遮蔽”について詳しくお伝えします。

 

 

 

 

 

パッシブデザインの定義とは

夏は涼しく、冬はあたたかく。
そんな快適な暮らしを、機械や設備に頼らず、自然の力で実現する——
これが「パッシブデザイン」という考え方です。

 <パッシブデザインとは?省エネで快適な住まいづくりの第一歩>

建物の配置・形状・プランニングなどを工夫し自然エネルギーを最大限活用・調節し省エネルギーで快適な暮らしを実現させていく設計手法です。

 

パッシブデザインには5つの要素があります。

 

今回はその中の 『日射遮蔽』についてです。

 

 

要素③ 日射遮蔽

日射遮蔽は夏を涼しく快適に過ごすための基本となるものです。

冷房時に、室内に入り込む熱を少なくするので省エネルギーにつながります。

日射遮蔽は夏の基本と覚えておいてください。反対に断熱は冬の基本となります。

 

・夏の直射日光は強力な熱源

→特に南・西面の窓から差し込む日射は、室温上昇の大きな原因のひとつです。

・断熱だけでは防げない熱もある
→ ガラス面を通してくる太陽の輻射熱は、壁や屋根の断熱材では防ぎきれません。

ですので、建物への日射の影響をどう減らすか?

日射遮蔽をするには次のようになります。

 

①窓から入る日射を防ぐ

室内に入りこむ日射は主に窓からで、家全体の約74%を占める
庇(ひさし)や外付けシェード、すだれなどで、外側で遮るのがポイント。

 

②屋根や外壁から室内に入る熱量を少なくする

断熱によりなるべく建物の外皮に日が当たらないようにする工夫。

 

③屋根や外壁に当たった日射をはじく

高反射塗料や明るい色の屋根・壁材で、受けた日射を反射して熱の吸収を抑える。

 

④通気層や換気によって屋根や外壁から室内に入る熱量を減らす

外壁や屋根の下に通気層(空気の流れる層)を設けることで、熱がこもらず、室内に伝わるのを抑える。
夏の屋根裏の温度上昇を防ぐのに効果的。

 

⑤植栽や外構の工夫によって、外壁に当たる日射量を少なくする

木やフェンスなどの外構要素で日陰をつくることで、外壁への直射を減らす。
落葉樹なら、夏は葉で日差しを遮り、冬は光を通すことが可能。

 


この中でも「窓から入る日射を防ぐ」ことが、日射遮蔽の中でも最も重要なポイントです。
室内に入り込む熱のうち、およそ74%が窓からのものだからです。
ここをしっかり対策することで、日射遮蔽の効果は大きく変わります。

 

 

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●窓から入る日射を防ぐ対策とは

実際のパッシブデザインでは、サッシやガラスの種類だけでなく、窓まわりの工夫を加えることで日射遮蔽の効果を大きく高めることができます。

ガラスと下記付属部材の組み合わせによる日射熱取得率を比べてみました。

・何もなし・・・・・室内に熱が46%侵入

・レースカーテン・・室内に熱が34%侵入

・内付けブラインド・室内に熱が30%侵入

・障子・・・・・・・室内に熱が27%侵入

・外付け部材(外付ブラインド)・・室内に熱が11%侵入

 

この様に、そのまま日射を当ててしまうのと外付ブラインドを取り付けるのでは、室内に日射が入る量が4倍以上も違ってきます。

窓の外にブラインドを設置することは設計段階の工夫ですが、そのブラインドを適切に開け閉めして運用できるかは、実際の暮らし方に委ねられます。
つまりパッシブデザインとは、建てた時点で完結するものではなく、『住まい手の意識と行動によって完成していく“暮らしの文化”』なのです。

 

 

 

まとめ

日射遮蔽は、夏の快適な住環境をつくるための大切な工夫です。
窓、外壁、屋根といった建物の各部位に適切な対策を施し、さらに暮らし方でも上手に日射をコントロールすることで、冷房に頼りすぎず、心地よく過ごせる住まいが実現します。

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