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2025/7/28 COLUMN

 

建てる前に知っておく!光と影

~日影シミュレーション・日照シミュレーション~

 

家を建てるときに大切なのは「どんな間取りにするか」や「素材の選び方」だけではありません。
実は“光と影の関係”を知っておくことも、とても重要なんです。

そのために活用されるのが、日影・日照シミュレーションです。

 

 

 

 

 

なぜシミュレーションが重要?

建築基準法で定められているのは、窓の面積(採光量)の確保だけです。
つまり、どの方角に窓を設けても構わないですし、隣家との距離が近い場所に窓をつけても基準はクリアします。
しかし、季節によって変化する太陽の高さや、周囲の建物がつくる影の影響で実際の日当たりは大きく変わることをご存じでしょうか。
多くの場合、こうした“本当の日当たり”は事前に確認されることなく、見過ごされているのが現状です。

 

<『日照シミュレーションでもっと快適な家に』はこちら>

 

実際の暮らしの中では、建物のまわりにある他の家や木々、土地の高低差などによって、季節や時間帯によって太陽の光が届かない場所が生まれることがあります。

本当は、「いつ・どこに日が当たって、どこが日陰になるのか?」をきちんと確認したうえで、平面図だけでなく、立体的に建物をとらえて設計していくことがとても大切なのです。

これは、私たちが大切にしているパッシブデザインの本質的な考え方のひとつでもあります。
自然の光や熱をどう取り入れるかをしっかり考えることで、より快適で心地よい住まいが実現できるのです。

 

 

 

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周囲の建物が作る影と日照シミュレーション

こちらの図は、実際に建てる予定の建物を周囲の家や敷地条件とあわせて立体的に配置し、特定の日時・時刻でどこに影が落ちるかをシミュレーションしたものです。

敷地は一見南向きに見えますが、南側の建物の影が大きくかかることがわかります。
このように、理想的な方位でも、周囲の環境によって日当たりは大きく左右されるのです。

そして次に重要なのが、「では、実際にこの建物の中にはどれだけ日が入るのか?」という視点です。

そこで活用するのが、室内への日射量を“見える化”する「日照シミュレーション」です。
太陽高度の変化や窓の位置・大きさをもとに、季節ごとの採光の違いや、室温への影響まで予測することができます。

日照シミュレーションでわかること

1️⃣ 冬の午前中、室内に陽がどのくらい差し込む?
2️⃣ 夏の午後、直射が入りすぎて暑くならない?
3️⃣ 吹き抜けや高窓は効果的に光を取り込んでいる?


こうした情報をもとに、自然の力を最大限に活かした設計=パッシブデザインへとつなげていきます。

 

シミュレーション結果

 

 

 

この図は、影がもっと伸びる1月20日における朝8時〜夕方16時までの1時間ごとの日射の変化を表したものです。
時間帯によって、どの窓にどれだけ太陽光が入り、どの部分が影になるのかを視覚的に確認することができます。

 

🕒 時間ごとのポイント解説

・8:00〜10:00
 南東側の隣家の影が強く、1階部分には日射がほとんど届いていません。
 → 朝はまだ陽が入りにくい状況です。

・11:00〜13:00
 影が徐々に引き、南面の大開口から室内へと光が差し込み始めます。
 → 太陽高度が上がることで、日射取得が増加。冬の暖かさに効果的な時間帯です。

・14:00〜16:00
 午後にかけてはしっかりと日が入り、特に14:00〜16:00は室内全体が明るく保たれます。
 → 16:00以降になると徐々に陽が沈みはじめ、夕方の冷え込みに備える時間帯へ。

シミュレーションで得られた気づき

◆周囲に建物があっても、時間を選べば十分な日射が確保できることがわかります。

◆窓の大きさや高さ、軒の出も光の入り方に大きく影響していることが可視化されました。

◆午前中はやや日影の時間が長いため、暖房効率や断熱設計を工夫する必要があります。

このような日照シミュレーションを活用することで、
● リビングに「冬の陽だまり」をつくる窓配置
● 直射を避けて「夏は涼しい」深い軒や外付けブラインドの設計
● 室内環境を快適に保つパッシブな間取りづくり

など、見た目ではわからない“暮らしの質”を高める設計判断が可能になります。

 

<日照シミュレーション動画はこちら>

 

 

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まとめ:光と影を知ることが、心地よい住まいづくりの第一歩

家づくりにおいて「日当たりがいい家にしたい」という想いは、多くの方が持っているものです。
しかし、図面上の方位や窓の大きさだけでは、本当の意味での“陽当たりの良さ”は判断できません。

日影シミュレーションでは、建物が周囲に与える影の影響を。
日照シミュレーションでは、室内にどれだけ日射が入るかを。

この2つを組み合わせることで、光と影のバランスを考えた本当に快適な家づくりが可能になります。

特にこれからの住まいには、自然の力を活かして快適性と省エネを両立する“パッシブデザイン”の視点が欠かせません。
その第一歩が、光と影を立体的にとらえることなのです。

家は、図面だけでは見えてこない部分こそが大切。
だからこそ、設計の段階から“日影・日照”をシミュレーションしながら、一緒に丁寧に計画していきましょう。

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