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法律で定められている「省エネ基準」ですが、この省エネ基準を守れば快適なお家になると思ってる方は多いと思います。
2025年に省エネ住宅が義務化されます。
その義務化される省エネ基準を守れば室内は快適になるのでしょうか?
今回はそんな、2025年に義務化される省エネ基準を満たせば快適な住まいの実現に繋がるのかを解説します。
2025年に省エネ住宅が義務化される背景には「2025年カーボンニュートラル」の実現が影響しています。
カーボンニュートラルとは、2050年までに地球温暖化の原因と言われている温室効果ガスの排出を実質的に0とすることを目標としているものになります。
地球温暖化の影響となっている温室効果ガスの排出ランキングがあり、1位が工場、2位が車、3位が住宅になっているため
住宅においても地球温暖化対策は急務になってきています。
そんな地球温暖化対策である「2050年カーボンニュートラル」に向けて、住宅では2025年に「省エネ住宅義務化」になることで
最低限の省エネ性能を備えた住宅の建設が必要になってきます。
住宅の省エネ基準は何度か改正が行われてきました。
一般的な考え方で言うと、基準が改正されていくと住宅の性能自体も基準に沿って高くなっていくかと言うと実はそんなことはありません。
例えば、1999年(H11年基準)では住宅の断熱性能を表すUa値は「0.87」になっており、「省エネ等級4」が制定されていました。
しかし、次に省エネ基準に改正があった2013年(H25年)では、住宅の断熱性能を表すUa値は「0.87」のままで
一次エネルギー消費量を新たな指標に加えただけになります。
一次エネルギー消費量とは、建物で使われている設備機器の消費エネルギーを熱量に換算したものでこれには冷暖房や給湯機等も含まれます。
以前の省エネ基準の改正では、断熱性能に関する改正はなかったため「改正されれば住宅の性能基準のベースも向上する」といったことにはなっていなかったのです。
2025年には「省エネ住宅義務化」が決定しており、先ほどもあった「省エネ等級4」以下の住宅は建築不可となります。
以前までの改正に比べてですが、2025年に改正される「省エネ基準」では住宅の省エネ等級は最低ベースは向上します。
しかし、あくまでも最低基準であるため「最低基準を満たせばいい」という考え方とは異なるのが現状になります。
次に、そんな最低基準を満たした住宅で快適な住宅になるのかを解説します。
2025年に改正される「省エネ基準」では、住宅の「省エネ等級4」以下の建物は建築できなくなります。
この「省エネ等級4」の建物ですが、実際にはどのような性能の住宅なのでしょうか。
この表からわかることは、住宅の省エネ基準を満たした「等級4」にあたる「平成28年基準」の住宅では
冬の間に室内の最低温度が「概ね8℃を下回らない」となっています。
皆さんはこの「8℃」を暖かいと捉えるのか寒いと捉えるのかは考えなくてもわかると思います。
住宅の省エネ基準をきちんと満たした「G2」の住宅ではどうでしょうか?
このG2の住宅では、冬の間に室内の最低温度が「概ね13℃を下回らない」となっており、平成28年基準に比べると約5℃の差になります。
これらからわかることは、住宅の省エネ性能をぎりぎりクリアしたとしても快適な住宅にはならないということがわかります。
このテーマにもありました、「省エネ基準をクリアすれば快適な住宅になるか?」の答えはこれになります。
国が定める最低レベルの省エネ性能を満たした住宅を建てたとしても、住宅の省エネ性能自体はそこまで高くなく光熱費の削減にも中々繋がりにくいのが
現在の住宅の省エネ基準の現状になります。
これまでの話を踏まえて、皆さんは省エネ基準を最低限クリアした住宅がいいか、それ以上の性能がある住宅がいいかはなんとなくわかったと思います。
国が定める省エネ基準に関する基準は決して高くはありません。
他国と比べてみても、日本の住宅に関する性能はかなり遅れを取っているのが現状です。
地球温暖化対策に住宅の性能を上げることは大事ですが、住宅の性能を上げることで「快適で省エネ(光熱費の削減に繋がる)な暮らし」を
実現するためにも、ぜひ最低G2以上の住宅をご検討いただければと思います。
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